みなさんは、スタートアップって聞いたことがありますか?
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、スタートアップの意味は、起業のことです。
起業には、2種類あり、以前、こちらの記事でご紹介したものは、

スモールビジネス、と呼ばれる起業のことです。
起業で成功するには、極力、リスクを減らして、すでに市場のあるものを狙うといい、といった内容でした。
今回は、もうひとつの起業、スタートアップについて、ご紹介してみたいと思います。
日本を代表する起業家である、メタップスの佐藤航陽氏は、ご自身の著書
「未来に先回りする思考法」の中で、
世の中の流れを読み、今どの場所にいるのが最も有利なのかを、適切に察知する能力が必要、
と述べています。
このことは、何も、起業について考えている人だけでなく、
これから、就職や転職を考えている人の企業選びはもちろんのこと、
また、そうでない方にとっても、
自身の会社での立場や、会社が置かれている状況を知っておくことは、
自身の行動によって会社を成長させていくためにも、必要なことです。
スタートアップを知ることで、さらに起業についての理解が深まるとともに、
自身の会社や、就職、転職の際の企業研究においても役にたつでしょう。
是非、ご覧ください。
スタートアップとは
まずは、上述した、スモールビジネスと、スタートアップの違いから見てみましょう。
スタートアップと、スモールビジネスとの違いは、以下の通りです。
①成長カーブ
成長カーブ
上の図は、会社の儲け度合いを、グラフで表したものです。
図のように、スモールビジネスは、初期の段階から一次関数的に、じわじわと成長していきます。
このように、そこそこの利益を確実に得ていく、というのが、スモールビジネスの特徴です。
それに対して、スタートアップは、赤字状態からはじまり、あるタイミングで、爆発的に儲かる、という、極端な動きをします。
この曲線の形から、スタートアップは、Jカーブを描く、と表現されます。
つまり、スタートアップとは、事業が成功したときに、巨額の利益が、短期間で生まれるもののこと、をいいます。
②市場環境
スモールビジネスは、すでに存在する市場で戦いますが、
スタートアップの場合は、そもそも、市場が存在するのかわからないところからスタートします。
つまり、事業をはじめる際に、すでに市場があるか、ないかの違いがあります。
③事業拡大への姿勢
スモールビジネスは、規模を大きくするよりも、事業の採算性をいかに高めるか、が重視されます。
一方、スタートアップが目指すのは、新しい市場を作り、なおかつ、そこでナンバーワンになることです。
つまり、急成長することを運命づけられた取り組みであるか、ということです。
④お金を出してくれる人
こうした成長の違いにより、お金の出し手も違ってきます。
スモールビジネスでは、銀行などの金融機関ですが、
スタートアップでは、VC(※)やエンジェル(個人投資家)がお金を出します。
銀行などの金融機関は、お金を、インカムゲイン(利息)で儲けるビジネスで、
融資、つまりお金を貸す形をとります。
一方、VCがお金を出すときに求めるのは、キャピタルゲイン(株式売却益)で、
出資、つまり、株式の一部を買い取る、という形をとります。
※VC
ベンチャーキャピタル(Venture capital)とは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社のこと。
主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下する。
経営コンサルティングなどを提供したり、担当者が取締役会等にも参加し、経営陣に対して監視・コントロール・指導を行うこともある。
⑤対応可能市場
市場の広さ、のことです。
労働力の調達や、サービスの消費が行われる場所が限定されるのが、スモールビジネス、
これに対して、あらゆる場所で行われるのが、スタートアップです。
地理的に限定されてしまうと、爆発的な成長ができないので、それは、スモールビジネスになります。
⑥イノベーションの手法
スモールビジネスは、既存の市場に対して改良を加えていく、持続的なイノベーションになります。
一方、スタートアップは、事業が成功した暁には、既存の市場や、私たちの常識を覆すような、破壊的なイノベーションを起こすのが特徴です。
以上、スタートアップについてご紹介してきましたが、
スタートアップが成功して、組織として大きくなると、
その組織は、もはやスタートアップではなくなり、一般企業になります。
スタートアップは、あくまで、市場が、0の状態から、1を生み出すための組織、です。
その時の、経営者(起業家)に求められるものは、アイデアを生み出して、市場に受け入れられるように、チームを動かすことです。
一方、達成後に、経営者に求められるものは、事業を拡大するノウハウを駆使して、1を100にすることです。
どちらも肩書は、社長、かもしれませんですが、求められるスキルが全く異なります。
このため、起業家自身も、企業の成長に合わせて、経営者としてのスキルを貪欲に身に付けていかないといけません。
スタートアップ企業で働きたいと思ったら
先にご紹介したように、スタートアップは、創成期の安定感には欠けますが、
事業が成功した暁には、爆発的な成長をとります。
このため、創業メンバーになれば、大企業などと比べても、給料がいいことに加え、
自らの手で、会社が立ち上がっていく様子が実感でき、
他の会社では決して感じることができないような、やりがいも生まれることでしょう。
また、スタートアップ企業で働くことは、将来、自身で起業を考えている人にとっても、大いに参考になるはずです。
しかしながら、スタートアップ企業の求人というのは、一般的に、知人であったり、身内になることが多いので、あまり多くはありません。
また、創成期の不安定さもあることから、
スタートアップ企業で働きたいのであれば、
創業3年以上経った、ベンチャー企業を探してみることをオススメします。
以前、こちらの記事でもご紹介しましたが、

成長期にある企業は、中途採用にも積極的です。
以下にあげた転職サイトでは、ベンチャー企業の求人が、他サイトにくらべ、多くあるので、チェックしてみて下さい。
スタートアップ企業への転職を考えている人にオススメの転職サイトTOP5
1位:Green
Greenは、IT・Web系業界最大級の求人数をほこる、転職サイトです。
サイト内の、ほぼ全ての企業が、写真を多数掲載しており、
社内の雰囲気が感じられるようになっています。
また、現職に見つからないように、ブロック企業の登録ができるようになっています。
特徴として、「気になる」機能で、
応募前に、企業への興味を気軽に伝えることができ、
ヘッドハンターや人材紹介を介さず、直接、企業とのやりとりが出来ます。
2位:Wantedly
Wantedlyは、「はたらく」を面白くするビジネスSNSです。
運命のチームや仕事に出会えたり、人脈の構築や管理、ビジネスの情報収集に活用されています。
Wantedlyでは、まず、企業の中の人に会って話を聞くという、
企業とのライトな付き合いをすることが可能です。
これにより、事前のミスマッチが少なくなるため、
書類選考で落とされる、ということは極めて少なく、
会社の雰囲気を知ってから転職することができます。
また、企業側の採用コストが安いため、
有名求人サイトには掲載されていないような、スタートアップ企業なども、多数、登録されています。
3位:doda
dodaは、10万件以上の公開、非公開の求人を扱っている、
大手人材紹介会社、パーソルキャリアが運営する、転職サイトです。
大手にもかかわらず、求人には、ベンチャー企業も、数多く扱っており、
約1000件ほど、掲載されています。
dodaにしかない求人も多数あり、
また、サイトも、求人が見つけやすいように工夫されているので、
ベンチャー企業の求人探しには、最適です。
4位:リクルートエージェント
リクルートエージェントは、20万件以上という、圧倒的な求人数をほこる、国内最大の転職エージェントです。
転職支援実績もNo.1である、
強力な専任のキャリアアドバイザーが、あなたの要望にあう、ベンチャー企業の求人を見つけ出し、転職を成功に導いてくれることでしょう。
5位:リクナビNEXT
リクナビNEXTは、786万人以上の、日本最大級の登録者数をほこる、転職サイトです。
掲載求人数は、12,000件以上、内85%が、他社にない求人です。
掲載は、大手企業が中心になりますが、優良ベンチャー企業も多く登録されています。
上記の転職サイト以外にも、
Indeedで、「スタートアップ企業 求人」などで、条件を入れて、検索してみるとよいでしょう。
Indeedの使い方については、こちらの記事をご参照ください。
まとめ
スタートアップとは
- 成長カーブ
事業が成功したときに、巨額の利益が短期間で生まれる、Jカーブを描く。 - 市場環境
新しい市場を創出する。 - 事業拡大への姿勢
新しい市場を作り、ナンバーワンになること。 - お金を出してくれる人
VC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル(個人投資家)。 - 対応可能市場
あらゆる場所。地理的な限定なし。 - イノベーションの手法
成功した暁には、破壊的なイノベーションを起こす。
スタートアップ企業で働きたいと思ったら
創業3年以上経った、ベンチャー企業を探す。
スタートアップ企業への転職を考えている人にオススメの転職サイトTOP5
また、実際の転職活動においては、直接、企業とコンタクトをとって、積極的に話を聞きにいくなど、情報収集も欠かせません。
スタートアップ企業は、多くても数十人ほどですから、
- 働く環境や、一緒に働く人々と仲良くできそうか、
- 自身の能力や成長に活かせるか、
- 会社の成長に貢献できるか、など、
自身の目でチェックすることが比較的容易ですし、判断もし易いでしょう。
是非、実際に見て、自身が働いている姿を想像しつつ、
意中の企業を見つけ出して下さい。
本記事が、スタートアップ企業での転職をお考えの方や、
新たな転職先を見出すきっかけに、お役立ていただけたら幸いです。
それでは、また。
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