今後の自動車産業のあり方

テクノロジー
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先日(12/3)、政府が、2030年半ばまでに、”ガソリン車の国内での新車販売を廃止させる”方向で調整している、というニュースがありました。

これは、世界的な、”脱ガソリン”の動きに合わせたものですが、
政府が、日本の自動車産業の方向性を示したことで、
今後、業界における、日本の立ち位置の変化や、再編も進む、と思われます。

今回は、今後の自動車産業のあり方、について、考えてみました。

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HV(ハイブリッド)は無意味な技術

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言うまでもなく、自動車産業は、日本を代表する産業の一つです。

その証拠に、世界の時価総額BEST50には、唯一、日本では、トヨタが、49位(2020年11月現在)にランクインしています。

そんな、日本が世界に誇れる、数少ない産業の一つでもある、”自動車業界”ですが、今、大きく揺れています。

これまで日本の自動車メーカーは、温室効果ガスの排出など、環境への対策として、HV(ハイブリッド)車や、PHV(プラグインハイブリッド)車などを生み出してきました。

HV(ハイブリッド)車は、エンジンとモーターの2つの動力を搭載し、これらを効率的に使い分けることで、低燃費を実現した、すばらしい技術ですし、
PHV(プラグインハイブリッド)車は、HV(ハイブリッド)車に、外部電源からの充電を可能にしたものです。

現時点では、HV(ハイブリッド)車は、EV(電気自動車)がかかえる、航続距離(満タンで走れる距離)の短さや、充電時間の遅さ、充電スポットの少なさなどの問題を考えると、明らかに優れています。

※HVとEVの比較については、こちらの記事を参照下さい。
>>EV車は次世代の自動車になるのか~クルマの未来~

しかしながら、HV(ハイブリッド)車をつくるには、極めて高度な技術が必要なため、諸外国が、真似をすることができません。

このため、環境への対策として、諸外国の多くは、製造が簡単な、EV(電気自動車)を推進しており、また、脱ガソリンによるエコカー規制でも、HV(ハイブリッド)車を認めていない国も多く、
そんな、日本のメーカーがもっている”優れた技術”も、世界的には、”無意味な技術”となっているのです。

車までガラパゴス化する日本

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今回、政府が出した、”2030年半ばまでの、ガソリン車の新車販売の廃止”ですが、規制の対象として、HV(ハイブリッド)車は含まれておりません。

ですが、前述したように、世界のほとんどの国では、HV(ハイブリッド)車を認めておりません。

今、日本では、新車販売で、3人に1人は、HV(ハイブリッド)車を購入しています。
一方、中国では、五菱(ウーリン)という中国のメーカーが出した、43万円のEV(電気自動車)が、爆発的に売れているそうです。

もし、五菱(ウーリン)が日本で販売をはじめたらどうでしょう。

HV(ハイブリッド)車は、五菱(ウーリン)とくらべて、10倍くらいの値段ですが、それでも日本では、国内メーカーの信頼性やブランド力で、HV(ハイブリッド)車を購入する人が多いのではないか、と私は考えています。

これは一見すると、内需が潤って、いいことのように思えるかもしれませんが、実は、そうでもないのです。

昔、ガラパゴス携帯(ガラ携)は、操作などが慣れているから、と、日本だけは、いつまでも、残っていました。

さすがに、今では、ガラ携はあまり見かけなくなりましたが、日本では、いつまでも残っていたため、その分、世界くらべて、スマートフォンなどの携帯端末業界の発展が遅れ、未だに日本のメーカーは、ほとんど、世界でシェアをとれていません。

自動車業界も、今後、日本だけ、HV(ハイブリッド)車が走っている、ということになれば、EV(電気自動車)用の給電スポットなどのインフラ整備が進まないことになります。

実は、上述した、EV(電気自動車)がかかえる、航続距離(満タンで走れる距離)や、充電の問題を解消するために、非接触充電システムや、走行中の給電などの設備の開発は進んでいます。

※非接触充電システムや、走行中の給電などの設備については、こちらの記事を参照下さい。
>>電気自動車(EV)から見える未来とは

諸外国では、このようなインフラの整備が進む中で、日本だけ、遅れていってしまうことになりかねないのです。

もし、そうなれば、私は、日本が誇ってきた、自動車産業までもガラパゴス化し、世界から取り残されていってしまうのではないか、と心配しています。

進む業界再編

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いずれにせよ、日本でも、脱ガソリンは進むので、今後、ガソリンスタンドなどは、廃業に追い込まれるところが増えてくるでしょう。

ガソリンスタンドも、EV(電気自動車)用の給電スポットなどを併設できればいいのですが、引火などの危険性があるため、それもできません。

みなさんもよく、郊外はもとより、街中でも、廃業して、いつまでもそのまま残っている、ガソリンスタンドを見たことはありませんか?
早く、違う建物を建てればいいのに、と、不思議に思ったことはないでしょうか。

実は、それには理由があるのです。ガソリンスタンドの地中には、タンクが埋まっていて、そのタンクを廃棄するのに、2000万円以上もの解体費用がかかるのです。

なので、ガソリンスタンド跡地の土地は、格安で投げ売りされているのですが、それでも買い手が付かず、廃業しても、設備がそのまんまで放置されている所が多いのです。

影響を受けるのは、もちろん、ガソリンスタンドだけではありません。

これまで、複雑なエンジンなどを作ってきた、メーカーの下請け・孫請け・曾孫請けなどの企業も、EV(電気自動車)になれば、需要がなくなるので、厳しくなります。

したがって、日本では、たとえ、急速なEV(電気自動車)化をしたとしても、着実に、業界の衰退を招くことになるのです。

残念なことですが、日本が誇ってきた自動車産業も、時流に乗れなかったことで、今後、業界再編が進むことになるでしょう。

自動車の今後

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それでは、今後の自動車はどう変わっていくのでしょうか。

業界の今後を占うには、今、勢いのある会社を見ればわかります。
自動車メーカーであれば、そう、テスラです。

テスラ、といえば、代表的なEVメーカーで、最近、S&P500(米国株式市場の時価総額の約80%をカバーする、主要500銘柄)にも組み入れされることが発表されたので、ご存じの方も多いでしょう。

テスラは自動車メーカーですが、自動車を販売しているだけではないのです。
実は、テスラは、自動運転などのソフトも販売しています。

というのも、今後、EV(電気自動車)も、価格競争になると、インドや中国には叶いません。

特に中国は、EV(電気自動車)のリチウムイオンバッテリーに必要な、コバルトなどのレアメタルも、自国でとれるため、価格で将来的に勝てるわけがありません。

ですので、テスラは、自動運転とか、センサー技術を高めて、そのソフトを、諸外国に販売する、というビジネスモデルをとっているのです。

また、今後は、車の安全性も、車体(ボディ)の性能とかではなく、ソフトの争いになっていくと思われます。

私は、カメラが、デジタル化したように、車も、次のステップとして、デジタル化がすすむのではないか、と考えています。

これに対して、日本のメーカーはどうなのか、というと、実はこれまで、積極的には、自動運転の開発はしてきませんでした。

その理由は諸説あり、例えば、法の整備の問題もあるとは思いますが、私は、それよりも、「自動運転ができるようになると、多くの人が車の所有をしなくなる」と、メーカー側が考えたからなのではないか、と考えています。

車の所有には、

車両の購入費用、年1回の自動車税、2 or 3年ごとに車検費用重量税自賠責保険、年1回の自動車保険、その他の、点検費用駐車場代燃料代消耗品費用など

非常に多くの費用がかかります。

確かに、自動運転ができるようになると、みんな、わざわざ、このような費用をかけるリスクをおかしてまで、車を持とう、とは考えなくなるでしょう。

スマホで、近くを走っている無人タクシーを呼び寄せて、来たら目的地を入力し、自身は席に座って、他の作業(本を読んだり、スマホを見たりなど)をする、
その方が、費用だけでなく、時間効率もよくなります。

加えて、日本では、高齢化が進む中で、
高齢者の、操作や判断ミスによる、運転事故も目立ってきていますし、
また、煽り運転なども社会問題視されています。
自動運転ができれば、そういった問題も解消されるのです。

にもかかわらず、日本のメーカーは、目先の利益を考え、自動運転の開発を積極的にはやっておらず、今後、進むであろう、車のデジタル化においても、世界に対して、大きく遅れを取っているのです。
この点が、残念でなりません。

まとめ ~今後の自動車産業のあり方~

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株、というのは、期待で買われるモノですが、つい最近(2020/7/1)、テスラが、時価総額でトヨタを抜き、そこから、テスラ1社で、日本に上場する自動車メーカー、全9社の時価総額の合計をも追い抜きました。

トヨタ(創業:1937年8月28日)は、自動車を作って、100年近くになるのですが、10数年の、ぽっと出の新人(テスラ 創業:2003年7月1日)に、株では、あっさりと抜かれてしまったのです。

では、実際の力は、どれくらいの差があるのでしょうか。

去年(2019年)の販売台数で比較すると、トヨタが、1074万台に対し、テスラは、約36万台と、テスラは、トヨタの、1/30程度しか売れてない、ということになります。

ですが、現在は、世界平均で、EV(電気自動車)の新車販売のマーケットシェアは、5%を越えてきています。

※ちなみに、日本の、EV(電気自動車)普及率は、0.8%で、圧倒的EV(電気自動車)後進国です。

中国で、五菱(ウーリン)の、43万円のEV(電気自動車)が売れている、と上述しましたが、今後、ヨーロッパでも、ルノーが、補助金込みで、120万円のEV(電気自動車)を出してくるそうです。

あと1~2年ほどで、ガソリン車よりも、EV(電気自動車)の方が安くなりますし、これからも、EV(電気自動車)のシェアは順調に増えていくでしょう。
また、同じ頃に、自動運転も搭載されていきます。

自動車も、自動運転のソフトウェアや、センサーでは、米国企業が先行していて、中国では、低価格路線をとっています。
その中で、日本の自動車メーカーは、どのように生き残っていけばいいのでしょうか。

私が思い描く、日本の自動車メーカーの未来は、次の通りです。

  1. EV(電気自動車)の販売
    これまでのシェアを維持するためにも、日本のメーカーも、EV(電気自動車)の開発および、積極的な販売は、必須。
  2. 完全自動運転 の実現化
    完全自動運転 を実現化させることで、
    子供や老人も車に乗れるようにし、市場を広げることで、
    スマホで、今よりもはるかに低価格で、気軽に、”無人タクシー”が呼べる時代にする。

上述したとおり、日本は、①②ともに出遅れてしまっていますが、これは、今更言っても仕方がありません。

そもそも、日本は、 これまで、法律も、ITも、その他、多くの生産物も、他国のものまねを基本としてきており、自分で考え出すことが不得意な国、なのです。

良くも悪くも、保守的で、節約志向な国民性がそうさせるのでしょうが、こればっかりは仕方がありません。

その一方で、他国が生み出したモノを、改良して、価値を高めることに関しては、長けているのです。

基本的に、モデルの構築よりも、ブラッシュアップを得意とする国民なので、これからでも、本腰を入れて取り組めば、挽回できるはずです。

今回、政府が業界の方向性を示しましたが、日本も、国策として、官民が一体となって、電気自動車や、自動運転の開発に真剣に取り組めば、きっと、道が開けてくるでしょう。

むしろ、今、ここで真剣に取り組まなければ、日本経済は、一気に落ちていってしまいます。

自動車業界に限らず、その他の、コロナの影響をうけるなどで、大変な業界もありますが、是非とも、みんなで力を合わせて、乗り越えていきましょう。

それでは、また。

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