みなさん、ご存じの通り、今、日本は、少子高齢化という、深刻な問題をかかえています。
単純に、子供が減って、高齢者の割合が高くなる、ということだけでなく、
出生数の低下で、日本の人口そのものが、すさまじいペースで減っているのです。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が、2017年にだした日本の将来の推計人口によると、
日本の総人口は、現在(2019年)の、1億2千5百万人から、
34年後(2053年)には、1億人の大台を割り、
50年後(2069年)には、現在の70% (8千5百万人)の水準となり、
100年後(2119年)には、40%(5千万人)にまで落ち込みます。
しかも、この数値は、外国人も含んだものです。
ついでに、この机上の計算では、
今よりもっと先の、約1000年後(3000年)には、
なんと、日本の総人口が、2000人になるそうです。
さすがにここまでくると、日本が国家として成り立たなくなり、
日本人自体が、絶滅危惧種として登録される存在になってしまいかねなくなります。
そこまで先ではなくても、例えば、
などの問題がでてくる、といわれています。
それでは、この、少子高齢化や、人口減少といった、
これからの日本がかかえる問題に対して、
我々は、どう対処していったらいいのでしょうか。
「未来の年表」の著者、河合 雅司氏は、日本を救う処方箋として、
10項目をあげています。
今回は、この本を参考に、少子高齢化や、人口減少に向かう、日本を救うための7つの方法を、ご紹介していきます。
是非、ご覧下さい。
少子高齢化や人口減少に向かう、日本を救うための7つの方法
①高齢者向けの住宅整備を、新たな公共事業に
以前、こちらの記事でご紹介しましたが、

現在は、地方を中心に空き家が増えており、
山梨県、長野県、和歌山県などは、すでに2割近い空室があります。
日本全体をみても、日本の世帯総数5000万に対して、住宅は5700万戸もあり、その差は年々広がっています。
都心にはどんどんタワーマンションが建つ一方、
郊外や地方では、空き家が増えていっているのです。
こうした物件をうまく活用して、
政府が、高齢者向けに、安い家賃で借りられる住宅、として整備すれば、
予算もかけずに、空き家問題も解消され、
高齢者が路頭に迷うこともなくなるでしょう。
これを、新たな公共事業にすればよい、ということです。
②高齢者の定義の変更
以前、こちらの記事でご紹介しましたが、

2017年3月に、日本老年学会が、
医療の進歩や、生活の質の向上などにより、
10年前に比べ、身体の働きや知的能力が、5~10歳は若返っているから、
という理由で、
これまで65歳以上と定義されてきた「高齢者」を、75歳以上に引き上げ、
65~74歳を、「准高齢者」とし、社会の支え手としてとらえ直すよう、提言を行いました。
仮に、74歳までの就労、と考えると、
高齢者を支える働く人の割合が、現在の、「2.5人に1人」から、「3.7人に1人」となり、
肩車型社会は、改善されるようになります。
また、労働力不足や、社会保障の財源問題も、大きく改善されることでしょう。
しかしながら、いくら肉体的に若返ったとしても、何もかもが、若者世代と一緒、というわけにはいきません。
個人差はありますが、健康状態は、年齢とともに悪くなっていくのが一般的ですし、
死ぬまで働かせるのか、という反発もあるでしょう。
しかしながら、今の基準では、働く人の数は、今後、50年で、40%も少なくなるそうです。
働き手の担い手として、外国人の雇用や、AIの活用などがあげられていますが、
それでも追い付かない、国家の非常事態なのです。
今後、あらゆる分野において、これまでの慣習や仕組み、ルールの見直しをしていくことになるとおもいますが、
私たち自身も、望むと望まざるに拘わらず、長く働くことの覚悟を決めて、備えていかなければなりません。
③便利すぎる社会からの脱却
これは、過剰サービスの見直しや、労働時間の短縮をして、
不要な仕事をなくしたり、必要とされる働き手を減らそう、ということです。
以前にも、ヤマト運輸が、Amazonなどの当日配送などの対応により、
長時間労働が問題視されましたね。
24時間365日の営業など、日本らしさ、でもあるのですが、
かといって、こうした過剰なサービスに従事している人の給料がいいか、というと、そうでもありません。
これからは、労働人口が減り、働き手が高齢化していくのであれば、
もっと必要なところに人手を回していかなければなりませんし、
いつまでも、こういったビジネススタイルを続けるわけにはいかない、ということです。
私たちも、多少の不便さは楽しむくらいの、余裕をもたなければなりません。
④人が住む地域の明確化
これは、人が住む地域と、そうではない地域とに分けて、
コンパクトで、効率的な国にしていこう、というものです。
人が住む地域に、商業施設やインフラを整備させるなど、
ヒト、モノ、カネを集約し、業務を効率化させれば、働き手も少なくてすみます。
また、情報や技術の共有も起こりやすく、ビジネス面でも有利になるでしょう。
少し、話がそれますが、
来年(2020年)行われる、東京オリンピックも、
「史上最もコンパクトで環境にやさしいオリンピック」
という、コンセプトで動いていますね。
サッカーの予選を除く、33の競技会場のうち、
85%にあたる28会場を、半径8kmの中に集中させる、というものです。
ですが、野球やソフトボールが追加となり、実際は、35の競技会場のうち、
半径8km圏内にあるのは、21会場の、60%にとどまりました。
また、昨日(2019/10/17)のニュースでも、マラソンと競歩は、急遽、暑さを理由に、札幌で行われることが決まりましたね。
このように、実際に、国として、コンパクトで、効率的に行っていこうとするには、様々な問題が出てくるでしょうが、
世界の中でも、もっとも急速に、少子高齢化や人口減少に向かう日本にとっては、
こうしたコンパクト化は、成し遂げなければならないことなのです。
是非とも、東京オリンピックを成功させ、この開催の経験を、今後の国づくりに、活かしていけるといいですね。
⑤得意分野に資源を集中させる
これはどういうことかというと、人もそうですが、国にも、得手不得手があります。
そこで、これからは、国として、得意なものに注力していこう、ということです。
日本には、たいていのものに、国産品があります。
ですが、全てのものを国産品にしなくても、
日本が得意とする、モノや分野だけに、資源や人材を集中投入して、
世界をリードする産業として発展させていくことが、
これからの日本においては、必要になってくるのです。
当然ながら、今後、日本が狙っていく、そういった成長分野に対する教育も重要になっていきます。
国として、育成していく産業分野を絞り込んで投資していくこと、が必要になるのです。
⑥量から質への転換
労働力が減る中で、経済を成長させていくには、生産性の向上が求められます。
そのためには、
少人数で、高品質なものをつくり、少量生産、少量販売のビジネスモデルが不可欠です。
まさに、量から質への転換、です。
他国の追随を許さない、付加価値の高い製品で勝負する、といった、
こだわりの逸品の生産へと、シフトしていく、ということになります。
幸い、日本には、さまざまな分野で、職人さんがいます。
そういった匠の技を使って、世界に支持される、日本オリジナルのブランド製品を作ることは、さほど難しいことではないのではないでしょうか。
⑦人材育成
これからの日本は、イノベーションを起こして、新たな成長曲線を描けるようなモノを作り出していかなければなりません。
その為には、起業をし易くしたり、また、仮に失敗したとしても、
すぐに転職できるようなシステムの構築が不可欠です。
教育においても、起業について学ぶ必要がありますし、
誰もが、そういう意識でもって、自身のキャリアプランを考えることができるようにしていかなければなりません。
また、これまでにも、政府は、医師不足を解消するために、医学部の定員を増やしたり、新設などをおこなってきましたが、これからは医師だけではありません。
国として、育成したい分野や、人物像を明確にして、学生を優先的に導くような仕組みも必要になってくるでしょう。
まとめ
少子高齢化や人口減少に向かう、日本を救うための7つの方法
- 高齢者向けの住宅整備を新たな公共事業に
- 高齢者の定義の変更
- 便利すぎる社会からの脱却
- 人が住む地域の明確化
- 得意分野に資源を集中させる
- 量から質への転換
- 人材育成
以上です。
本ブログは、働くことをテーマにしていますが、
働くことと、これから向かっていく日本とは、切っても切り離せない関係です。
今回ご紹介した7つの方法は、あくまで、一例であって、
必ずしも、この先、日本の政策がこの通りになる、というものではありません。
しかしながら、現在の日本の課題を明確にし、その対策としての一例を知ることで、
私たちが、将来目指すべきキャリアというものも、おおよそ、見えてくるのではないでしょうか。
本記事が、あなたの将来への備えや、行動にお役立ていただけたら、こんな嬉しいことはありません。
それでは、また。
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