先日(2019/10/20)、PRESIDENT Onlineで配信された、竹中平蔵「現代人は90歳まで働くことになる」という記事に対して、多くの方が意見をし、話題になっていました。
※記事の詳細を知りたい方は、下記リンク先をご覧下さい。
PRESIDENT Online
当ブログでは、働くことをテーマにしていますので、今回は、この記事に対するみなさんの意見をまとめてご紹介し、自身も、これについて考えてみることにしました。
竹中平蔵「現代人は90歳まで働くことになる」についてまとめてみた
竹中平蔵(1951年3月3日)
パソナグループ取締役会長、東洋大学教授
竹中氏が言っていることをまとめてみると、
ということでした。
これについては、さすがに、①の、90歳まで、というのは衝撃的でしたが、
これからは、定年が延びるであろうということ、
また、②③④に関しては、同様なことを、これまで当ブログでもお伝えしてきています。
ですがみなさん、おおよそ想像がつくかと思いますが、
この記事に対する意見は、ほとんどが、誹謗中傷といった批判的なものでした。
その中でも、今回は、比較的、オブラートなものを、ピックアップしてみました。
ご覧の通り、みなさんの、相当な怒りを、お伝えできたかと思います。
やはり、特に、90歳くらいまで働く、という、
その年齢の実現性に対するの批判、が多かったです。
また、中には、竹中氏自身に対する批判も多くありました。
なぜ、竹中氏に対して、これほどまでに怒っている方が多いのかというと、
それは、派遣社員と正社員との待遇の差によるところが大きいのでしょう。
派遣法は、1985年に成立してから、これまで、大規模な規制緩和を行ってきました。
その派遣法の改正に、派遣会社を運営する、パソナグループの取締役会長でもある、竹中氏が加わっていたことは、当時から問題になっていました。
このため、現在の派遣社員と正社員との待遇の差があまりにもあるのは、
派遣法の改正で、自社の利益を企んだ、竹中氏によるところが大きい、
と、恨む方が多いのです。
また、意見を書いている方の年齢などは分かりませんが、
特に、団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ:45~48歳)は、
バブル経済崩壊後の不景気に、新卒者だった、就職氷河期世代であり、
人口ボリュームも大きいことに加え、
厳しい受験を勝ち抜いて大学に入学し、卒業したものの、
思うように職に就けなかった方が多い世代です。
運良く正社員になっても、勤務先の経営状態が悪く、低賃金のまま、年齢を重ねてきた方や、派遣(非正規)の労働者も多いのです。
恐らく、そういった世代からの批判が強いのではないかと思われます。
さて、ここで、極めて数は少なかったのですが、肯定的な意見もありましたので、ご紹介します。
また、悟っているのか、もしくは、あきらめムードの意見もありました。
- これからは一部の成功者だけが隠居できて、その他大勢は、死ぬまで働く事になるかもしれないな。
- 非正規で90まで?(´・ω・`)美しい国だなあ。
- てか、90とかふざけてんですかって思うが、実際には、80まで年金貰えない将来がくるかもな。75くらいまでは体調維持して働けなくちゃだな。
まとめると、今回の記事に対する意見は、その内容の本質というよりも、
- 90歳までの就労という、無責任な定義
- 竹中氏のこれまでの罪過
に対する批判が強かっただけのようですね。
また、その他の意見として、
要するに、わざわざリスクを冒してまで、苦労して新分野の専門性を身に付けようとする人はいないよ、ということだと思いますが、
私は、これを見たとき、どこも似たようなものなのだな、と思いました。
私の会社では、まず、専門性の高い技術力をもった人が、上にはいません。
むしろ、専門性の高い、技術力の長けた人は、そろいもそろって、みんな下に甘んじているのです。
その姿を見たら、そりゃ、自分はそこでうまく生きていくためには、どう振る舞ったらいいか、考えてしまいますよね。
上は、自分よりできる人は、決して取り上げない、という風潮が、日本の会社にはあるように思います。
自分自身と同じように、冒険を冒さず、ほどほどに業務をこなす人を、上の人間は、扱いやすく、重用します。
類は友を呼ぶ、といいますが、会社の上層部というのは、得てして、そういったもの同士の集合体です。
彼らは、似たもの同士で団結することで、確固としたものを築きあげ、またそうすることによって、自らのその地位を守ろうとするのです。
以前、こちらの記事で、
大企業になると、イノベーションは起こせない、ということを書きましたが、こういった事情も背景にはあるのです。
バブル崩壊後、30年にもわたって、他国が軒並み経済成長している中で、
日本だけが、唯一、マイナス成長で、世界に取り残されている理由も頷けます。
日本の闇の部分といえるでしょう。
少し、話がそれたので戻しますと、記事の中で、竹中氏は、
と言っています。
また、必要なのは、「何でもできるジェネラリスト」の方だと。
でも、実際、上記に述べたように、今の日本の社会では、「何もできないジェネラリスト」の方が、多いのではないでしょうか。
竹中氏によると、
会社にいられるうちはいいが、いざ、会社という看板を外されたら最後、そういう人間は生き残れない、ということになります。
この点に関しては、そりゃそうだろう、と、納得できる方も多いのではないでしょうか。
人生100年時代のこれからは、
アリとキリギリス、の童話の中の、アリのように、
私たちは、勤めている間は、せっせと、専門性という、備えをしていかなければなりません。
ただ気がかりなのは、
(定年)退職した後に、果たして、自身の年齢で、専門性を活かせる仕事に付けるのか、
また、技術の進歩は激しいので、自身が磨いてきた専門性が、これからの時代に通用するものであるのか、といった心配もあるでしょう。
これについては、なんとも言えません。
ただ、今後は、働き手が大きく不足していく社会になることは間違いありませんし、
また、時代とともに、会社や社内のシステムなども、今とは、変わっていくことが考えられます。
アインシュタインは、
いつまでも、創造力と、知的好奇心を持ちつづけなければならない、
といっていますが、
まさしく、これからの私たちは、これを肝に命じなければなりません。
常に世の中にアンテナをはり、自身の磨く専門性においても、
世の中に合わせて、柔軟に対応させていくことが求められます。
歳をとったときに、キリギリスとはならないように、
今のうちから、生涯労働に向けて、自身のキャリアプランをしっかりと計画し、備えていきましょう。
以上です。
最後までお読み下さり、有り難うございました。
それでは、また。
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