私もそうなのですが、不安な将来に向けて、資産運用を考えているサラリーマンの方は多いのではないでしょうか。
誰でも、運用するからには、資産を現状よりも増やして、絶対に損だけはしたくないですよね。
とはいえ、資産運用にはリスクがある、ということは聞いたことがありますし、
なんの知識もないまま、素人がやってみたところで、
果たして、本当にうまくいく(増やしていける)のだろうか、と懐疑的になり、
今一歩、踏み出せないでいる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、私もその一人です。
正直なところ、私は、これまで、資産運用については、
あまり興味がありませんでした。
一生懸命、会社で働いてさえいれば、自然と自分の口座にお金が貯まっていき、
将来はきっと大丈夫だろう、と、楽観的に考えていたからです。
しかしながら、これまでさんざん書いてきましたが、
もうそんな悠長なことはいっていられない時代になってきました。
誰もが、将来に向けて、自分や家族のために財産を守り、備えていかなければならないのです。
そこで、私は、そのよく知らない資産運用についての知識を補うべく、
勉強してみることにしました。
当ブログでも、今後、何回かに分けて、
学んだことを紹介していこう、と思います。
資産運用について、これから学んでいきたい、と思われている方に、
参考にしただけたら幸いです。
資産運用を考えるなら、マイホームを買ってはいけない!~その5つの理由~
不動産投資について
投資というと、株式、債券、不動産、を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
今回は、そのうちの、不動産、について、スポットをあててみます。
というのも、
どこでどう調べたのかわかりませんが、最近、会社にまで、「家を買いませんか?」と、私宛に、セールスの電話がかかってくることがよくあるのです。
仕事中ですし、大変迷惑なのですが、
むげにことわって恨まれるのも嫌なので、それなりに気を使いつつも、
はっきりと、「興味がありません」と、対処するようにしていますが、
果たして、家って、資産運用としてはどうなんだろう?と、興味をもったので、調べてみました。
マイホームと賃貸、どちらが得なのか
1.企業の考える不動産の所有
よく、サラリーマンの悩みの1つとしてあげられるのが、マイホームと賃貸は、どちらが得なのか、ということではないでしょうか。
特に、一生に一度の買い物ですから、そりゃ悩みますよね。
実際に、購入を考えて、分譲マンションや、一戸建てなどの見学に行かれたことがある方はわかると思いますが、
不動産の営業マンは、「賃貸より、買った方が、断然お得ですよ」といいます。
主な理由は、下記の通りです。
確かに、これを聞くと、なるほど、マイホームを買った方が得だな、と考える人も多いと思います。
しかしながら、ちょっと待って下さい!
よくある悩み、というからには、そう簡単には決められないのです。
例えば、日本のほとんどの企業は、土地や建物を借りてビジネスをしているのはご存じでしょうか。
当然ながら、企業は、最大限に利益を得られるように考えてしているわけですから、もし、本当に、賃貸よりも所有の方が得ならば、どの企業も不動産を購入して事業を始めるはずです。
また、人には寿命がありますが、企業は、もっと長期の事業の継続を前提にして決めているはずですから、その意味合いは大きいのです。
単に、マイホームには、所有が得で、企業には、賃貸が得だ、などということは、
同じ不動産取引である以上、それは成り立ちません。
もっとも、不動産価格と賃料が、どちらを選んでも損得がないようになっていればいいのですが、実際はそのようになってはいません。
つまり、多くの企業が賃貸を選んでいる、ということは、
今の日本では、賃貸の方が得になることを示しているのです。
もし、本当に所有の方が得であるならば、
不動産会社は、私たち個人に転売しようとはせず、
貸し付けよう、とするはずです。
そうではないということは、それだけ、
不動産の所有にはリスクを伴うことを示しているのです。
2.マイホーム購入とポートフォリオ
とはいっても、
というのも事実です。
ですが、これにはからくりがあります。
今の家賃と同じ額で、ずっと広い家に住むためには、
ローンを組まないといけない、ということです。
つまり、借金前提の話だ、ということですね。
超低金利だとしても、その借りた同じ金額を、
例えば、株式などにまわせば、じつは、配当で、同様な暮らしが実現できるのです。
以前、こちらの記事で、ポートフォリオについて、少しご紹介しましたが、
リスク回避のためには、ポートフォリオを組んで、資産を、分配投資することが重要です。
特に、資産三分法はその鉄則で、株式、債権、不動産 の三分割すべきだ、といわれています。
ですが、マイホーム(不動産)のような一生ものの資産を購入した場合、
例えば、不動産3000万円、としたら、
ポートフォリオを組むためには、
株式 3000万円、債権3000万円
となり、計 1億円 程度の資産が必要になります。
そんなのは現実的ではありません。
つまり、マイホームを購入したら、ほぼ資産が、不動産のみで占められることになり、現実的に、リスク回避のポートフォリオが組めなくなってしまう、ということになります。
3.世帯数と住宅数の関係
以前、こちらの記事で、2020年の日本の人口分布をご紹介しましたが、
日本の人口は、2010年から減少し、少子高齢化で、平均世帯数は、2.4人まで減って、単身世帯が急増しています。
つまり、もはやこの国には、大家族で暮らすための広い家は、必要がなくなってきている、といえます。
また、地方を中心に空き家が増えており、
山梨県、長野県、和歌山県などは、すでに2割近い空室があります。
日本全体をみても、日本の世帯総数5000万に対して、住宅は5700万戸もあり、その差は年々広がっています。
都心にはどんどんタワーマンションが建つ一方、
郊外や地方では空き家が増えていく、
今はまさにそのような状態です。
マイホームを購入した資産運用で、
唯一、土地の値上がりを期待する、
ということができますが、
人口の分布などを考えた場合、
都心の一等地は別として、今後、
不動産価格が上がる、
ということは考えにくい、といえます。
4.不動産市場について
証券市場では、全ての投資家が、同じ条件で株式を売買するのが原則としてあるのに対して、
不動産取引は、どの物件を誰に紹介するかは、不動産業者の裁量次第となっています。
当然ながら、魅力的な物件は、得意客に回すことが多く、一般客には、残り物を案内する、ということが起こりえます。
また、証券市場では、株価に影響を与える情報の全てを投資家に公平に告知することを義務づけていて、これに違反すれば、インサイダー取引として罰せられます。
一方、不動産取引で紹介されるのは、敷地面積や建築工法などの最低限の情報だけで、インサイダー取引などの規制もありません。
つまり、一般の私たちが購入することができる、マイホームは、
私たちにはわかりませんが、
プロからみて、魅力的な物件ではない可能性が高い、ということです。
5.不動産の営業マン自身はどうしているのか?
実は、不動産の営業マンは、顧客に持ち家をすすめながら、
自分たちは、賃貸住宅に住んでいます。
しかしながら、不動産の営業マンでもマイホームを購入することはあります。
それは、
会社内で出世して、有利な取引が許されるようになってからだ、
と言われています。
本当かどうかわかりませんが、ここまでくると、ちょっと笑っちゃいますね。
まとめ
資産運用を考えるなら、マイホームを買ってはいけない!~その5つの理由~
- 企業や不動産会社の動向が、不動産の所有にはリスクを伴うことを示しているため。
- 多額の借金をすることになり、資産のリスク回避のポートフォリオが組めなくなってしまうため。
- 単身世帯の増加や人口減少で、地方を中心に、今後、不動産価格は下がってくるため。
- 不動産取引は公平ではなく、閉鎖的であり、一般の人には向かないため。
- 不動産の営業マンも、賃貸住宅に住んでいるため。
でした。

マイホームを夢見ている方には大変申し訳ない結論となってしまいましたが、かつてあった、土地神話、というのは、これからの日本では、もはや現実的ではありません。
特に、不動産市場が、フェアでオープンになっておらず、
また、今後も、規制等も考えにくいため、一般の私たちが、公平に参入することが難しいことが原因としてあげられます。
ですから、資産運用を考えるなら、私たちは、土地よりも株や債権の方に目を向けなければならないのです。
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