現代社会において、ストレスは、誰にも、つきものです。
各々の環境などで、その内容や、重さなど、多少の違いはあれど、
私たちは、日々、ストレスにさらされています。
今や、このストレスに対して、どう向き合っていくのか、ということは、
私たちの人生においても、大きな課題のひとつ、とも言えるでしょう。
そこで、今回は、このストレスを解消する方法について、まとめてみました。
とはいうものの、世の中には、ストレスの解消法は多々あるので、
今回は、その中でも、特に、科学的に根拠のある、信頼性の高いモノを中心に、ピックアップしました。
これをご覧になり、実践することで、どんなストレスを受けても、すぐに立ち直れる、無敵のメンタルを手に入れることができるはずです。
是非、ご覧下さい。
1.ストレス解消~呼吸法~
みなさんの中にも、大事な面接の前や、スピーチの直前などで、緊張したり、不安に感じたりしたときに、深呼吸をする人は多いのではないでしょうか。
深く息を吸い込んで気持ちを落ち着かせることは、ストレス対策としては定番ですね。
手軽さと即効性の面からも、呼吸のトレーニングに勝るストレス解消法はない、といわれています。
一般に、人間の体は、不安やイライラを感じると、心拍数が上がって、全身が緊張し、脳に酸素を送るために、息が荒くなります。
これは、人類が、古代のサバンナで暮らしていたときの、防衛システムなのだそうです。
とっさの危険に対して、全身にエネルギーを行き渡らせるために、進化したものだ、ということです。
しかし、ここで、意図的に呼吸を遅くすると、私たちの脳は、セキュリティシステムを解除し、同時に、心拍数が下がって、体の緊張もゆるんできます。
これは、呼吸が変わったことで、システムに、「危険が去った」とシグナルが送られ、脳の警戒心が解除されたために起こる現象なのだそうです。
もっとも、これで、完全に緊張が解けるわけではないでしょうが、
呼吸のリズムさえ整えれば、自分のストレスシステムにたいして、確実にいい方向に影響を与えられるのですから、試さない手はないですね。
調べてみると、呼吸法には、様々なモノがあるのですが、
ここでは、特にオススメな呼吸法をご紹介したいと思います。
これは、初心者向けの呼吸法として、スタンフォード大学の、ストレス対策コースでも使われているテクニックです。
具体的な方法は、次の通りです。
行うときは、できるだけ、背筋を伸ばすように心がけ、
上記のステップを、1日5分、行います。
不要な緊張をほぐし、体に活力を与える効果が高いため、
朝、目が覚めた後に試すのが、オススメとのことです。
2.ストレス解消~運動~
先の呼吸と同じように、運動も、ストレス解消に効果がある、というのは、ご存じの方も多いと思います。
なぜ、運動が、ストレスの解消に役立つのか、と言うと、体を動かすことで、脳の機能を高める物質が分泌されるからです。
その種類は、以前、こちらの記事でもご紹介した、

セロトニンなどもそうですが、なかでももっとも影響が大きいのは、エンドルフィンです。
これは、運動の辛さを和らげるために分泌される物質で、
痛みや不快な感覚を減らし、すぐに私たちに幸福感を与えてくれます。
私は、休みの日(週に2回ほど)は、ランニングを行っているのですが、
このランニング中に気分が高まる、「ランニングハイ」と、同じメカニズムなのだそうです。
ただ、このエンドルフィンには、ストレスに効く最適量があるため、
運動をやり過ぎるたり、無理したりすると、かえってストレスを貯めることになり、効果が得られない場合もありますので、注意が必要です。
そこで、ストレスに勝つための最適な運動をご紹介します。
やはり、ストレス解消に効果的な運動は、歩くこと(ウォーキング)です。
いきなり、ランニングのような、負荷が高い運動をするのではなく、
まずは、軽い散歩からはじめて、少しずつ、負荷を上げていくのがいいでしょう。
ドイツのカールスルー工科大学の実験によれば、
1日に、30~60分のウォーキングを、週2回、5ヶ月間続けた学生は、
何もしなかった学生にくらべて、
期末テストの時期になっても、ストレス反応が低くなり、実際に試験の成績もアップしたそうです。
これは、軽く体を動かしたため、ストレスをつかさどる自律神経の働きが向上し、そのおかげで、何かプレッシャーを感じたとしても、いつもより脳が過剰に反応しないようになった、というわけです。
また、運動をすると、コレステロール値や、血圧も下がり、体重も減らせる、という効果もあります。
運動が、体にいいのは知られていますが、ストレスの解消機能もあるので、
是非、まずは、週2回、1日、30分のウォーキングから始めてみましょう。
3.ストレス解消~自然~
自然、これも、みなさん、ストレス解消に効果的なことは、感じているところでしょう。
緑に囲まれた公園で、ホッとした気持ちを味わったり、
またテレビなどでも、壮大な自然の光景を見て、感動を覚えたりした経験は誰にでもありますね。
実は、人間の脳には、あらかじめ、大自然とのふれあいを求める欲望が、備わっている、のだそうです。
また、自然とふれあうと、副交感神経が活性化して、一気にストレスが減るのですが、
これは、先にご紹介した、呼吸法や運動よりも上回ることから、
まさに最強のストレス対策といえるでしょう。
考えてみたら、私たち人類の祖先は、数百万年もの間、その歴史のほとんどを、豊かな自然の中で過ごしてきたのですから、当たり前ですね。
しかしながら、現代は、自然が大きく失われています。
近年の研究では、都会で暮らす人ほど、メンタルを病みやすくなることがわかっています。
60歳以上の高齢者を調べた、マックス・プランク研究所によれば、
周囲の半径1kmを、森に囲まれたエリアに住んでいる人ほど、脳の扁桃体が安定して働く傾向がありました。
扁桃体は、人間の感情をコントロールするエリアで、
この機能が正常に働く人ほど、ネガティブな感情に振り回されにくくなります。
都市部での統合失調症や、不安障害の発症率は、都市化が進んでいないエリアにくらべて、56%も多い、のだそうです。
だからといって、森の中で暮らすわけにはいきませんが、
毎日の暮らしに、少しずつ、自然を取り入れていくことはできます。
ということで、オススメな、森林浴をご紹介します。
森林セラピーロードをご存じでしょうか。
これは、専門家が、フィールド実験を行った上で、
「安全に森林浴を楽しめる環境が整備されているか?」と、「ストレス解消の効果が認められるか?」の2点をクリアした場所だけを、認定したものです。
血圧や、心拍変動などを使って、被験者のストレスレベルを測定しており、適当な森林浴スポット選びの参考になります。
下記に、ホームページのリンクを貼っておきますので、
是非、お住まいの地域の近くに、認定のエリアがあるか、確認してみて下さい。
現在、全国の64カ所が、認定されているようです。
もし、お近くになくても、週末などのまとまった休日に、お出かけしてみてはいかがでしょうか。
4.ストレス解消~食事~
ストレスが起きる原因のひとつに、栄養のアンバランスがあります。
不摂生な食事だと、栄養に偏りができてしまい、栄養のバランスが悪くなることで、メンタルが打たれ弱くなってしまう、というものです。
たしかに、おかしや、ジャンクフードばかりを食べている人よりかは、
野菜たっぷりの食事をしている人の方が、メンタルも安定しそうなイメージはありますよね。
不摂生な食事でメンタルが弱くなるメカニズムは、まだ、完全には解明されていませんが、
いまのところもっとも有力なのが、酸化ストレスが、脳にダメージを与える、という説です。
私たちの体内に活性酸素が増えると、細胞にダメージを与えますが、
その影響は、脳にまで及び、最終的には、メンタルの低下につながっていく、というものです。
たとえば、サラダ油です。キャノーラ油や大豆油のような精製油は、酸化ダメージを受けやすく、製造の過程で、大量の活性酸素が発生します。
そのような油で作った、揚げ物や、ファーストフードを食べれば、
あなたの身体は、大量の活性酸素を吸収し、細胞の老化を進めるだけでなく、メンタルまで、悪化させてしまうことになります。
この問題を解決するには、食事を変えていかなければなりません。
そこで、メンタルを強く保てる食事をご紹介します。
これは、オーストラリアのメルボルン大学などが、メンタルを強くするための食事法として開発したものです。
うつ病になやむ被験者に、12週間、この食事をとってもらったところ、症状が、3割も改善されたそうです。
食べるべき食事
基本的には、お米を玄米やイモ類に変え、いつもより、野菜とフルーツを増やし、魚と、脂身の少ない肉をしっかり食べることを心がければOKです。
また、カロリーなどは気にせず、好きなだけ食べてOKで、
メンタル改善のためには、食事を楽しむほうが大事だ、ということです。
また、逆に、以下の食事は、メンタルの調子を悪くするので、できるだけ避けましょう。
食べてはいけない食事
これらの食事法を、3ヶ月続けると、メンタルが大きく改善されるとのことです。
食事で心が強くなるのは、お酒やジャンクフードを減らすことで、
身体の負担が減り、脳のダメージが軽減されることに加え、
ビタミンやミネラルなどの大事な栄養素、必須アミノ酸、身体に良い脂肪酸のおかげで、頭の働きがよくなることも、大きな要素のひとつと考えられます。
是非、普段の食生活に、取り入れてみましょう。
5.ストレス解消~現実を受け入れる~
またこれも、ストレスが起きる原因のひとつなのですが、
問題を受け入れることができず、現実を否定し続けてしまう、というのがあります。
たとえば、あなたが、仕事で何か重大なミスをした、とします。
このときの反応の仕方としては、下記の2パターンがあります。
おわかりだと思いますが、この中で、ミスを受け入れられていないのは、
②の方ですね。
自分がミスをおかしてしまったことは、紛れもない事実であり、
このように、いつまでも過去を引きずって考えていたら、
嫌なことが頭の中で増幅されいくだけです。
これではストレスがたまっていくのは当然ですね。
ですので、何かストレスになるようなことが起こったら、
まずは、現実を受け入れることが、ストレスを解消するには、大切なのです。
といっても、なかなか、ストレスになったことを受け入れることは、嫌ですよね。
できれば、誰しも避けたいところです。
そこで、この現実を受け入れる方法を、ご紹介します。
それは何かというと、ネガティブな思考を、アニメ声で言ってみる、というものです。
何かネガティブなフレーズが頭に浮かんだら、その思考を、アニメキャラのものまねで、何度か、言い直してみます。
たとえば、「自分はダメな人間だ」と思ったら、
それぞれの声優さんに似せるように、何度か、繰り返し、言い直してみて下さい。
そんなバカらしい、と思うかもしれませんが、これは、
どんなネガティブな思考でも、単なる言葉でしかない、ということを、
実感するためのもの、なのです。
ネガティブな思考と感情を、他人事のように見つめる視点を育てることが目的です。
是非、やってみて下さいね。
6.ストレス解消~あるある体験にする~
これは、どういうことかというと、嫌な体験を、あくまで一般的な、よくある、あるある体験として語り直す、というものです。
具体的な例を見てみましょう。
このように、嫌な体験を、一般論に変えることで、出来事を遠くから見つめ直せるようになり、結果として、ネガティブな感情が中和されるのです。
ネガティブな思考と感情を、論理的にとらえ直す癖をつける、というのがポイントです。
まとめ
辛いストレスを解消するための、おすすめな6つの方法
- ストレス解消~呼吸法~
- ストレス解消~運動~
- ストレス解消~自然~
- ストレス解消~食事~
- ストレス解消~現実を受け入れる~
- ストレス解消~あるある体験にする~
でした。
辛いストレスを解消するための、おすすめな6つの方法をご紹介してきましたが、①~④については、取り入れるだけで、ストレスが軽減されることが、科学的にも実証されている方法です。
是非、日頃から習慣づけていただくことを、おすすめします。
また、⑤⑥については、各々でアレンジしていただいて構いませんが、
⑤⑥に取り組んでいくと、すべてのストレスの原因は、結局は、自分にあるのではないか、ということを実感することでしょう。
ネガティブな思考や感情は、すべて、あなたの脳が生み出した、一時的な反応にすぎません。
ご紹介してきたように、この一時的な反応に対して、ムダな抵抗をすると、ストレスが増幅してしまうのです。
最終的なストレスの原因、それは、自分自身にある、ということを理解して、上記の6つの方法を、是非、お試し下さい。
この記事が、あなたにとって、無敵のメンタルを手に入れるきっかけとなれば、こんな嬉しいことはありません。
それでは、また。
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